猫は野生動物なのか?
猫は人と暮らすように変化した動物で、自然に生きる野生動物ではありません。
猫は5千年以上前に、ネズミ退治などを理由に人が自然から切り離して人間社会に組み込み、人と暮らすように変えた動物です。野生の狩猟本能を強く残していますが、長い年月の間に野生動物ではありません。人間が責任をもって世話と管理をしなくてはならない動物です。
不妊・去勢手術は必要?
飼っている動物の数が増えすぎると、適切な世話が行き届かず、動物を苦しめ、ふん尿や泣き声などで地域住民にも迷惑となることがあります。また近年は猫による野生動物の捕食など、自然環境や生物多様性への悪影響も懸念されます。『ノラ猫』に餌を与える行為で、近隣や地域に迷惑をおよぼすほど数を増やしてしまうのは、社会通念上からも無責任な行為です。地域住民で協力し合い、飼い主のいない猫をその代のみ世話をし、ノラ猫の数を減らしていこうという努力が不幸な猫を減らす為にも必要不可欠です。
猫は生後半年で妊娠が可能になり、1回の出産で4〜6匹の仔猫を産み、1年間に3回妊娠ができるので、最低でも12匹の仔猫を産むことができてしまいます。
予定外で生まれた多くの仔猫たちは、自然淘汰されるか、または人間の手によって捨てられたり、殺処分されたりします。
現在日本では、年間約11万頭もの犬や猫たちが行政殺処分(平成26年度環境省統計資料)されています。そのうち6〜7割が幼齢個体(仔猫)です。譲渡や飼い主に返還される数は、全引取りのうち2割にも満たないのが現状です。
望まれない不幸な動物を増やさないためにも早めの避妊・去勢手術は必要不可欠であり、本当の動物愛護だと考えます。
不妊手術のメリットとデメリット
手術を行う事で、もちろん子供を産ませなくすることが可能ですが、それだけではなく生殖器の病気を防ぐことができます。また、性成熟を迎えた猫たちのホルモン面や繁殖のストレスをなくす事もでき、健康面や行動面に様々なメリットがあります。
メリット |
デメリット |
・卵巣や子宮にできる腫瘍の予防
・乳腺腫瘍の発生率の低下
・生殖器の病気(子宮蓄膿症など)の予防
・性的な欲求不満からくるストレスからの解放
・望まない妊娠を避ける
・様々なリスクを軽減することにより、
寿命が延びる
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・肥満傾向ホルモンバランスの影響で、
消費カロリーが減少し太りやすくなる。
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去勢手術のメリットとデメリット
メリット |
デメリット |
・前立腺の病気の予防
・会陰ヘルニアの予防
・肛門周囲腺腫の予防
・性的な欲求不満からくるストレスからの解放
・マーキング、他の猫への攻撃性の軽減
・様々なリスクを軽減することにより、
寿命が延びる
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・肥満傾向ホルモンバランスの影響で、
消費カロリーが減少し太りやすくなる。
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さくらねこって?
耳カットされているのは、決まった飼い主のいない外で生活している猫で、その地域の猫ボランティアによって去勢・不妊手術を済ませた際に手術済の印としてつけられます。人社会の片隅で生きているノラ猫たちが生きていくためには、不妊手術を施し、これ以上増えないことを主張していく必要があります。
「さくらねこ」とは、不妊手術済みのしるしに、耳先をさくらの花びらの形にカットした猫の事です。不妊手術済みですということが他の人にもわかるように、メスは左耳、オスは右耳を不妊手術の麻酔中に耳先を少し切ります。
耳カットは、手術の麻酔が効いている間に行うので、痛みは少ないと考えられます。止血処理がされていて、傷口はすぐに塞がります。
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【地域猫とTNR】についてはこちらのページをご覧ください。
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